6月29日(水)19時から「ファンダメンタルズ ルーム」を開催しました。
ルームは、多様な背景を持つ人との対話を通じて自らの思考を省みることで、ファンダメンタルに手を伸ばす(共通の正解/了解にたどりつこうとかではない)ことを目的として開催しています。参加者は、主にファンダメンタルズ プログラムへの参加研究者・アーティストを対象としました。
"ファンダメンタル"をキーワードに集まった個々別々の背景を持つファンダメンタルズたちが、自身が所属する文脈からは切り離されたニュートラルな空間で、お互いの視点/思考をフラットに、そして直感的に発信し,それらが混ざり合わさったことで知的好奇心がおおいに刺激される稀有な機会となりました。
事前に扱いたいトピックについて参加者アンケートを実施し、昨年度実施したファンダメンタルズトーク「Vol.2 色について語るときに我々の語ること --科学にとっての、美術にとっての、哲学にとっての「質」--」を題材としました。
ルーム用に、約90分の上記トーク動画から、3つの話題について10分程度ずつを抜粋、これを1つずつ参加者全員で視聴した後、4-5名のグループに分かれて議論します。メンバーを変えつつ、これを3回繰り返しました。今回は18名(科学者:5名,アーティスト:13名)の参加があり、初見の人と自己紹介もなしに突如始まる議論で最初は戸惑いが見られましたが、議論は大いに盛り上がり、また、多くの人と対話をする機会を得ることができました。
参加者18名のうち、アンケートの回答は16名。8割超(満足18.8%、やや満足62.5%)の方がこの企画に参加して満足したと回答しました。
参加者の方からは、「いろいろなバックグラウンドの方が個人的な体験も含めて色という皆が共有する概念のあやふやさを語りあう、とても面白い回でした。プリズム眼鏡というものがあり、人間は適応するというお話、「つや」で見える色の感じ方が変わる、というのも確かに、と興味深かったです。」「お互いの立場(主研究)がわからないまま開始するところ(がよい)。」「各breakout roomで様々なバックグラウンドの人と話ができたのが良かった。考え方・捉え方も色々で興味深い。」
「短時間なので気が抜けないのがスリリングでした。わからないと言う事を丁寧に語る方が新鮮でした。様々な疑問の語り口、形容の仕方が面白かったです。」
「光という「対象」に細胞が反応して人間(生物)は「色」として認識している、という感覚が得られて、かなりすっきりした。」
といった声がよせられました。
ルームは毎月最終水曜日に開催、次回は9月28日(水)開催の予定です(非公開)。